研究概要
私は,環境政策(制度・施策)の効果に関して,応用(実証)ミクロ経済学の手法(※)に基づいた実証研究を行うことで,日本の環境政策の設計(デザイン)に役立つような知見の蓄積を行っています.特に,最近では,「交通と環境」をテーマとした研究を行っています.例えば,自動車へのインセンティブ施策は本当に環境効果があったのか,自動車燃費規制は効率的な規制といえるのか,ライドシェアは環境にとって良い結果をもたらすのか,交通ネットワークへの公共投資は交通由来の環境汚染にどのような結果をもたらしたのか,といった問いに関する研究です.このような研究を行う上で,経済学的直観から得られる疑問,分離融合的で柔軟かつ論理的な思考法,統計的因果推論に基づく「因果効果」と「因果メカニズム」の厳密な識別・推定,の三つの要素を大事にしています.
※ 私の言う「応用(実証)ミクロ経済学的アプローチ」とは,厳密なミクロ経済学に基づく理論分析と,厳密な統計的因果推論手法に基づく実証データ分析とを融合したアプローチの事で,近年では,公共経済学,国際貿易,産業組織,労働経済学,教育経済学,実験・行動経済学など様々な分野で活用されるようになってきています.
最新論文
ニュース
- 2022/10/27
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「脱炭素政策のデザインにおける実証ミクロ的評価手法の活用」,「競争政策における環境経済実証の活用」,「DIDの計量分析手法の最近の展開」というテーマの講演をそれぞれ別の某所にて行います.
- 2022/10/27
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『経済セミナー』(日本評論社)で新連載「新しい環境経済学:実証ミクロアプローチ」をスタートします.
- 2022/10/27
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環境経済・政策学会(SEEPS)より学術賞を受賞しました.